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安保法制と安倍さんについて、父と話したこと

私の父は昔、ある国会議員の公設秘書をしていました。といっても、ほんの1年ぐらい務めただけのようですが。
私が生まれてちょうど1ヶ月後の選挙で、その議員は落選してしまいました。
議員が「ただの人」になったのと同時に、父は秘書を辞めることになりました。

その議員は、当時の民社党から無所属に転じていた人でした。
父の政治志向も、中道やや右よりといったスタンスでした。でも、無所属時代の秘書だったからか、党派色があまりありませんでした。
母も、父が秘書時代に知り合って結婚したこともあったのか、政治に関心がありました。母は、中道やや左よりの考え方でした。

なので、政治のことがふつうに食卓の話題にのぼる家庭で、私は育ちました。
この政党の政策はどうだとか、政治手法はどうだとか、父と母はよく議論をしていました。


今年のお盆に実家に帰ったとき、お酒を飲みながら、父と久しぶりに政治の話をしました。
父は、今回の安保法制に対して明確に反対していました。少し意外でした。

父いわく、安倍ちゃんマン(←おやじギャグ)は、復古主義軍国主義なのだと。
中国や北朝鮮の脅威がよく理由にされるよねと言ったら、「何言っとんの。そんなの方便に決まっとるがね」と言っていました。
三菱重工が小牧の工場で開発中のMRJも、すぐに軍事転用できるように作ってるんだと言っていました。

私は、つねづね疑問に思っていることを、父に聞きました。
安倍さんは自主憲法を作ることが悲願だと言っているのに、一方でアメリカにお伺いを立てるようなことをするのって、矛盾してると思うんだけど、と。
それに対して父は、安保法制に賛成する人の間でも、そのあたりは思惑の違いがあるんだろうねと言っていました。

なるほど。
安保法制を「アメリカの下請け法案」と呼ぶのは、実はあまり的を得ていないのかもしれません。
安倍さんの意識としては、下請けどころか「日本の軍事力をアメリカに売りこむ」なのかもしれません。
そして将来的には、軍事力でもアメリカと対等な国になることを思い描いているのかもしれません。


父は、下村博文らのことも槍玉にあげていました。
私は、なんであの世代の人が、ああいう考えになるんだろうねえと聞きました。
父いわく、彼らの世代はちょうど大学がたくさんできた頃だから、学生の質が落ちたのだとのことでした。
さらには、安倍さんは、なんで成蹊大学みたいなよくわからん大学しか行けなかったの?と。
いちおう早稲田大学第一文学部中退だからそういうことを言うのかなと、ちょっと笑ってしまいました。

参議院の特別委員会(例の強行採決が行われた日)での討論で、民主党の福山さんがこんなことを言っていました。
安倍さんを追及するつもりもなく何気なく、集団的自由権って自然権なんですかね?と聞いたら、安倍さんはキョトンとしていたそうです。
自然権の意味どころか、言葉すら知らないのかもしれません。

憲法学の権威といわれる芦部さんの名前を知らないとか、ポツダム宣言を読んだことがないとか、数々のおバカエピソードがあるわあるわ。
主義思想以前に、基礎知識がないのだろうと感じます。

私が国会前に行ったとき、SEALDsの集会で専門学校生がスピーチをしていました。
専門学校だから、政治学や法学などの授業はないと言っていました。それなのに、安保法制の問題点だけでなく関連するさまざまなことについて、とても多くの知識を持っていました。
よっぽど、そのへんの大学生よりも頭がいいと思いました。安倍さんよりも頭がいいと思いました。

あながち学歴で人を判断してはいけないと思いました。問題は、知識があるかどうかです。
曲がりなりにも総理大臣になっている人なのだから、知識をもっていてほしいと思います。知識を踏まえてこその、主義思想なのだと思います。


それにしても、安保法制反対、安倍ちゃんマン反対で、父と同じ意見だったことがうれしかったです。
とともに、私の政治についての考え方は、父から影響を受けていた部分が大きかったんだなあと思いました。